温度、腐食性ガス等の環境負荷を試料に指定時間与えて耐久性を調査します
車載電子機器は使用環境の多様性から、温度・湿度、振動・衝撃、特殊環境(塩水、混合ガス腐食、耐塵)、各種薬品等への耐久性が求められます。ガス腐食試験は使用時の大気環境を模擬するため、危険性の高い硫化水素、二酸化硫黄、二酸化窒素、塩素の腐食性ガスを混合させ暴露することで、車載電子機器の品質・信頼性を確認します。また、温度、湿度を調整し、加速試験を加味した条件下で試験を行います。
試験可能なガスの種類 | |
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硫化水素ガス(H2S) | 混合ガス(H2S, SO2, NO2, Cl2) |
二酸化硫黄ガス(SO2) | 硫黄ガス |
二酸化窒素ガス(NO2) | オゾン(O3) |
塩素ガス(Cl2) | アンモニアガス(NH3) |
ガス腐食試験の「リモート立会サービス」について
信頼性試験では、試験開始前の試料設置状況(設置角度など)や実稼働状況の確認は試験の精度に関わる重要な項目です。リモート立会サービスは、テレワークや遠方からの移動が困難なお客様に、オンラインで試験前の試料設置状況や試験後の試料状況などの確認作業が可能になります。
詳細はこちらをご確認ください
●リモート立会サービス
大型ガス腐食試験機
大型試料および多検体試料の同時試験が可能な大型ガス腐食試験を受託しています。
600Lの大容量容積(W:740mm、D:760mm、H:1,100mm)の試験機では、大型の車載部品(インバーター、エアコン、メーター等)をそのまま投入して試験できます。小型製品であればより多くの製品を一回で試験できるようになりました。耐荷重も80kgまで搭載できるようになり、重量物も試験可能です。また、通電動作させた状態で試験をおこなうことができ、不具合が発生するタイミングをリアルタイムで得ることができます。※下表参照
フロー式ガス腐食試験機 | ||||
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試験名称 | シングルガス試験 2~4種混合ガス |
シングルガス試験 2~4種混合ガス |
シングルガス試験 2~3種混合ガス |
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装置名称 | フロー式ガス腐食試験装置 | フロー式ガス腐食試験装置 | フロー式ガス腐食試験装置 | |
ガス濃度範囲 | H2S | 0.01~50ppm | 0.01~50ppm | 0.1~25ppm |
SO2 | 0.1~50ppm | 0.1~50ppm | 0.1~25ppm | |
NO2 | 0.1~50ppm | 0.1~50ppm | 0.1~10ppm | |
Cl2 | 0.01~1ppm | 0.01~1ppm | ||
温度範囲 | 25~65℃ | 25~55℃ | 25~50℃ | |
湿度範囲 | 60~95%RH | 70~90%RH | 70~90%RH | |
温湿度サイクル試験 | 昇降温速:15℃/時間 昇降湿度:5%RH/時間 |
不可 | 不可 | |
槽内寸法(単位:mm) | W:740×D:760×H:1,100 | W:440×D:420×H:440 | W:500×D:500×H:700 | |
対応試料重量 | 80kg(最下段) | 5kg以内 ※ | 5kg以内 ※ | |
ケーブル孔 | 5個 | 2個 | 2個 |
※ 試験槽内試料設置段1つ当たりの耐荷重の目安です。
温湿度サイクル、高温ガス腐食試験機
大型試料および多検体試料の同時試験が可能な大型ガス腐食試験を受託しています。
従来のガス腐食試験は一定の温度湿度条件で実施されていますが、腐食過程においては湿度により腐食の程度が大きく変わること、また屋外の昼夜寒暖差を踏まえ、特に車載電子機器の試験では温度湿度サイクルが重要視されてきています。当社保有の試験機の試験温度上限は80℃であり、昇降温度、昇降湿度共に従来機よりも早く試験条件の複合化、過酷化に対応可能な仕様となっています。※下表参照
フロー式ガス腐食試験装置 | ||
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試験名称 | シングルガス試験機 | |
2~4種混合ガス試験 | ||
ガス濃度範囲 | H2S | 0.01~50ppm |
SO2 | 0.1~50ppm | |
NO2 | 0.1~50ppm | |
Cl2 | 0.01~1ppm | |
温度範囲 | 25~80℃ | |
湿度範囲 | 60~95%RH | |
温湿度サイクル試験 | 昇降温度:30℃/時間 | |
昇降湿度:15%RH/時間 | ||
槽内寸法(単位:mm) | W:440×D:500×H:500 | |
対応試料質量(※) | 5kg以内 | |
ケーブル孔 | 2個 |
※試験槽内試料設置段1つ当たりの耐荷重の目安です。
各種規格に基づく試験条件に対応
各種JIS規格、IEC規格に準拠したガス腐食試験を実施できます。
規格番号 | 規格名称 |
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JIS C 60068-2-42, IEC 60068-2-42 | 環境試験方法-電気・電子-接点及び接続部の二酸化硫黄試験方法 |
JIS C 60068-2-43, IEC 60068-2-43 | 環境試験方法-電気・電子-接点及び接続部の硫化水素試験方法 |
JIS C 60068-2-46, IEC 60068-2-46 | 環境試験方法-電気・電子-接点及び接続部の硫化水素試験-指針 |
JIS C 60068-2-49, IEC 60068-2-49 | 環境試験方法-電気・電子-接点及び接続部の二酸化硫黄試験-指針 |
JIS C 60068-2-60, IEC 60068-2-60 | 環境試験方法-電気・電子-第2-60部:混合ガス流腐食試験(試験記号:Ke) |
JIS C 5402-11-7, IEC 60512-11-2 | 電子機器用コネクタ-試験及び測定-第11-7部:耐候性試験-試験11g:混合ガス流腐食 |
JIS C 5402-11-14, IEC 60512-11-14 | 電子機器用コネクタ-試験及び測定-第11-14部:耐候性試験-試験11p:単一ガス流腐食 |
JIS C 5445 | 電子機器用スイッチ-第1部:通則 |
JIS H 8502 | めっきの耐食性試験方法 |
JIS K 6259-1 | 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-耐オゾン性の求め方-第1部:静的オゾン劣化試験及び動的オゾン劣化試験 |
ISO 16750-1 | 路上走行車-電気電子機器の環境条件及び試験-第1部:一般 |
ISO 16750-4 | 路上走行車-電気電子機器の環境条件及び試験-第4部:気候的負荷 |
ISO 10062 | Corrosion tests in artificial atmosphere at very low concentrations of polluting gas(es) |
EIA-364-65A | TP-65B Mixed Flowing Gas Test Procedure for Electrical Connectors and Sockets |
JEITA ED-4912A | 発光ダイオード Light Emitting Diodes |
EN 60068-2-60 | Environmental testing Part 2-60: Tests – Test Ke: Flowing mixed gas corrosion test |
ASTM B809 | Standard Test Method for Porosity in Metallic Coatings by Humid Sulfur Vapor (“Flowers-of-Sulfur”) |
EIA-977 | Test Method - Electronic Passive Components Exposure to Atmospheric Sulfur |
ISO 19453-1 | 路上走行車-電気自動車の駆動システムのための電気電子機器の環境条件及び試験-第1部:一般 |
ISO 19453-4 | 路上走行車-電気自動車の駆動システムのための電気電子機器の環境条件及び試験-第4部:気候的負荷 |
IEC 60747-5-13 | 半導体素子-第5-13部:光電子素子-LEDパッケージの硫化水素腐食試験 |
その他の腐食性ガス試験(S8ガス試験)
曝気試験や硫黄ガス試験も対応可能です。
曝気試験 | 酸やアルカリなどの試薬から発生する腐食性ガスを製品に曝露させる曝気試験が対応可能です。 |
硫黄ガス試験 | 硫黄粉から発生する硫黄ガスを製品に曝露させる試験が対応可能です。 |
「S8ガス試験」について
S8ガス試験は、ゴム部材などから発生する腐食性の強い硫黄ガスを用いた実環境を模擬した当社オリジナルの評価方法です。
詳細はこちらをご確認ください
●S8ガス試験
技術事例
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TN520S8ガス試験による電子部品の劣化評価
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TN516導電性ペーストの熱物性測定と総合解析
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TN317冷熱衝撃試験
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TN513S8ガスによる車載電子機器のガス腐食試験
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TN512熱輻射特性評価:熱量法による全放射率測定
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TN488有機化合物の分取・構造解析
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TN489リポソーム製剤の特性解析及び品質評価
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TN484各種材料設計のための高感度TMAによる線膨張率の精密測定
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TN483モレキュラープローブ法によるマイクロ孔の細孔分布測定
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TN374熱重量測定-質量分析
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TN373放熱材料の熱伝導率測定
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TN142ペンダントドロップ法による表面・界面張力測定
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TN141画像処理方式による接触角測定
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TN139振動式密度測定
関連情報