製薬企業における創薬探索研究を支援する目的で、当社は様々なin vitro安全性スクリーニング試験を長年実施しております。安全性に関するリスクを探索段階で確認することで医薬品開発の成功確率の向上が期待できます。当社では以下の評価メニューを用意しておりますが、いずれも高いスループット性を特長としており、探索段階における多数の化合物の評価に最適です。当該試験は、GLPや信頼性基準の規制適用外での実施であり、迅速かつフレキシブルに対応させていただきますので、まずはご相談ください。
主な受託メニュー
光毒性評価 | Balb/c 3T3細胞を用い、光照射下および非照射下で被験物質を曝露させ、各々のIC50値よりPIF(Photo-Irritation-Factor)を算出することで評価します。 |
in vitro小核試験 | CHL/IU細胞にヒト肝S9存在下と非存在下で被験物質を曝露させ、誘発された小核を画像解析で数値化することで評価します。 |
心筋イオンチャネル評価 | 全自動パッチクランプシステム(Sophion Bioscience社製Qube 384)を用い、イオンチャネル電流を測定することで評価します。 |
核酸医薬品の細胞毒性評価 | HepG2細胞に被験物質を曝露させ、カスパーゼ-3 および-7 活性を指標としてアポトーシスを評価します。 |
試験詳細情報
光毒性評価 |
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概要 | |
光毒性は「ある化学物質に最初に皮膚曝露し引き続き光に曝露した後に惹起される急性毒性反応、または化学物質の全身投与後に皮膚照射によって同様に誘発される急性毒性反応」と定義1)されており、光毒性試験は創薬初期段階における重要な毒性スクリーニング試験です。評価細胞に光照射下および非照射下で被験物質を曝露させ、各々のIC50値からPIF(Photo-Irritation-Factor)を算出し評価します。 →ご参考 実例詳細 ・使用細胞:マウス繊維芽細胞株(Balb/c 3T3細胞) ・お客様にご用意いただくもの:被験物質(DMSO溶液または粉末) |
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標準的な実施例 | 標準的な実施期間 |
評価化合物数:最大 57化合物/12プレート/1バッチ、1濃度・UV照射または非照射/プレート 繰り返し数:n=4 陽性対照:クロルプロマジン 陰性対照:DMSO |
3週間 |
in vitro小核試験 |
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概要 | |
in vitro 小核試験は、創薬初期段階における毒性スクリーニングとして重要な試験の一つで、被験物質が染色体の構造異常や数的異常誘発能を有するか否かを評価します。外因性の代謝活性系であるS9の存在下と非存在下で規定の時間化合物を評価細胞に曝露し、曝露後の小核頻度を評価します。細胞イメージング技術を用いて、画像取得から解析までを自動化することで、従来の顕微鏡を用いた目視評価に比べ、より短時間に客観的で均一性の高い結果の取得が可能です。 →ご参考 実例詳細 ・使用細胞:新生チャイニーズハムスター胚由来細胞株(CHL/IU細胞) ・使用機器:共焦点定量イメージサイトメーターCQ1(横河電機株式会社) ・お客様にご用意いただくもの:被験物質(DMSO溶液または粉末) |
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標準的な実施例 | 標準的な実施期間 |
評価化合物数:最大19化合物/9プレート/1バッチ、3プレート/1セット(3プレート内訳:S9(+)6時間、S9(-)6時間および24時間) 繰り返し数:n=2 陽性対照:S9(+) シクロホスファミド S9(-) マイトマイシンC 陰性対照:DMSO |
3週間 |
心筋イオンチャネル評価 |
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概要 | |
心筋のイオンチャネル評価は、候補化合物の催不整脈リスクを予測する評価として非常に重要な試験です。当社では全自動パッチクランプシステムを使用しております。本機器は、1バッチで最大90化合物(最大 n=4)を同時に評価することができ、非臨床の初期段階でハイスループットに化合物を評価することが可能です。また、本機器はギガシール形成による膜電位固定ができ、マニュアルパッチクランプと非常に近いホールセルパッチクランプ状態でイオン電流を測定することができます。さらに、1ウェルあたり10細胞のクランプが可能であるためデータ取得率が高く、安定した評価が可能です。 ・使用機器:Qube384(Sophion Bioscience社製) ・解析ソフト:Sophion Analyzer (Sophion Bioscience 社製) ・お客様にご用意いただくもの:被験物質(DMSO溶液または粉末) |
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標準的な実施例 | 標準的な実施期間 |
hERG試験 使用細胞:CHO細胞(B’SYS社) 評価化合物数:最大90化合物/バッチ 評価濃度条件:累積4濃度 ・標準濃度:100、30、9、2.7μM(公比3/10) 温度:室温 電圧プロトコール:Step pulse 繰り返し数:最大n=4(90化合物の場合) 最大n=8(45化合物の場合) 陽性対照:シサプリド 陰性対照:DMSO *CiPA注) プロトコール(生理的温度、電圧プロトコール)に準じた試験も実施可能 →CiPAプロトコールでの実例詳細 注) CiPA(Comprehensive in vitro Proarrhythmia Assay):催不整脈リスクの予測法の向上を目的として、FDA(米国食品医薬品局)を中心に組織された国際コンソーシアム |
2週間 |
Nav1.5試験 使用細胞:HEK293細胞(ChanneloSearch Technology社) 評価化合物数:最大45化合物/バッチ 評価濃度条件:累積4濃度 ・標準濃度:100、30、9、2.7μM(公比3/10) 温度:室温 電圧プロトコール:Step pulse 繰り返し数:最大n=8 陽性対照:フレカイニド 陰性対照:DMSO |
4週間 |
核酸医薬品の細胞毒性評価 |
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概要 | |
Antisense oligonucleotide(ASO)は肝臓や腎臓などに移行しやすいことから、肝毒性の発現が懸念されます。そのため、開発初期に当該リスクを評価することはASO の開発において大きな意義を有します。ASOを、カチオン性脂質媒介性トランスフェクション試薬を用いてヒト肝癌由来細胞株(HepG2 細胞)へ人工的に導入し、導入後24時間のカスパーゼ-3 および-7 活性を指標としてアポトーシスを評価することで、核酸医薬品の肝毒性を簡易的に評価することが可能です。 →ご参考 実例詳細 ・使用細胞:ヒト肝癌由来細胞株(HepG2細胞) ・お客様にご用意いただくもの:被験物質(PBS溶液または粉末) |
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標準的な実施例 | 標準的な実施期間 |
評価化合物数:最大 29化合物/6プレート/1バッチ、1プレート目 4化合物/プレート、2プレート目以降 5化合物/プレート 繰り返し数:n=3 陽性対照:Gapmer型Antisense oligonucleotide(ASO) 陰性対照:PBS |
3週間 |