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自己反応性の評価

爆発性または自己反応性に関わる原子団を有する物質に代表される、酸素を必要とせずに物質自身で反応(自己反応)し、急激な発熱やガス発生(爆発)などを起こす物質の熱感度および威力評価に用いられます。

分析条件

  温度 雰囲気 圧力 期間 試料容器
熱重量-示差熱同時測定(TG-DTA) 室温~1400℃ 空気、窒素、他
示差走査熱量測定(DSC) -100℃~600℃ 空気、窒素、アルゴン、他 大気圧 SUS、金メッキ、ガラス
暴走反応測定試験(ARC) 約-20~350℃ 空気、窒素、アルゴン、他 0~174×105Pa(abs) チタン、ハステロイC、ガラス、SUS
測圧型圧力容器試験 室温~400℃ 空気 大気圧 アルミ

解説

  • 熱重量-示差熱同時測定(TG-DTA)
    試料と基準物質(一般にαアルミナ)の温度を定速で上昇させた時、両者の熱変化の差を温度(時間)の関数として測定する示差熱分析(DTA)と、試料重量の変化を温度(時間)の関数として測定する熱重量測定(TG)を同時に行う分析法です。転移、融解、固層反応、脱水、分解、蒸発等、あらゆる反応を高感度で測定でき、同時にその時の重量変化を測定します。
  • 示差走査熱量測定(DSC)
    試料と熱的に安定な基準物質を同一条件で加熱すると、試料が発熱または吸熱したときに、熱を外部に放熱または外部から吸収します。その時の熱流を単位時間当りの熱量として測定する方法です。ポリマーや低分子有機物などの転移、融解、結晶化などの発熱量または吸熱量を定量的に測定することができます。本測定ではステンレス密封容器を用いて発熱開始温度、吸発熱量等を測定し、化学製品や反応中間体などの熱的危険性をスクリーニングします。(Siealed Cell-DSC)
    また、ステンレスと反応する試料(ハロゲン等)は、金メッキ容器を使用します。
  • 暴走反応測定試験(ARC)
    ARCは、反応性化学物質の熱安定性を評価する試験法のうちで、現在世界中で最も信頼性のあるものとして定評を得ている、 Accelerating Rate Calorimeter の略で、暴走反応測定装置と訳されています。コンピューターで制御された精密な断熱熱量計で、反応性化学物質が断熱条件下で自己発熱分解する際の、熱的挙動および発生圧力を定量的に測定できる装置です。
    ここで得られる1次データは、住友化学が永年の経験に基づいて開発した独自の解析手法により、その物質を安全に取り扱うことの出来る温度や時間の情報として得ることが出来るため、反応性化学物質の製造工程や移送、貯蔵の際の危険性評価に大いに役立てて頂いております。特に室温近辺で不安定な物質に対しては、室温以下からの測定が出来るのも当社の特徴です。
  • 測圧型圧力容器試験
    消防法第五類(自己反応性物質)判定試験の圧力容器試験に準拠した方法で、破裂板の位置に圧力センサーと熱電対を取り付けた装置を用い、消防法第五類判定試験と同様に電気炉で加熱した場合の最大圧力、最大圧力上昇速度、最大温度および最大温度上昇速度を測定し、化学物質の熱分解の激しさを定量的に把握することができます。その際オリフィスはもとより密閉での測定も可能です。 

技術事例

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