背景/関連法規の説明/法規名/改正点
希少金属であるレアメタルおよびレアアース(以下、レアアース等)は、産業のビタミンとも言われるように、自動車産業、電子産業を始めとした幅広い分野で使われており、現在の先端技術開発には不可欠なものです。 昨今、国内ではレアアース等の供給不足が懸念されており、また今後も使用量が増加すると予測されることから、例えば下記の対策が必要とされています。
- 代替材料・使用量削減技術開発
- レアアース等、希少資源の回収およびリサイクル(いわゆる都市鉱山からのリサイクルも含む)技術および設備の開発
- コアなレアアース技術を有する企業の国内立地支援
住化分析センターでは、各種部材、原材料中のレアアース等の元素分析を行なっています。 また、元素分析以外にも、長年培ってきた各種分析技術により、代替品開発における現行品と開発品または改良品等との比較分析・評価についてもご相談をお受けいたします。
主要レアメタルの主な用途
元素記号 | 元素名 | 原子番号 | 主な用途 |
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Li | リチウム | 3 | リチウムイオン電池(LIB)、潤滑グリース、航空機材料、治療薬、花火等 |
Be | ベリリウム | 4 | 中性子の減速材、X線源、高音域スピーカー、合金材 等 |
B | ホウ素 | 5 | 耐熱性ガラス、ガラス繊維原料、殺虫剤のホウ酸団子 等 |
Ti | チタン | 22 | 航空機機体、形状記憶合金、スポーツ用品、光触媒、印刷インク、白色顔料、化粧品 等 |
V | バナジウム | 23 | 製鋼添加材、超伝導磁石、触媒、染・顔料 等 |
Cr | クロム | 24 | ステンレス鋼、ニクロム、クロムメッキ、酸化剤 等 |
Mn | マンガン | 25 | マンガン電池、鋼材、酸化剤 等 |
Co | コバルト | 27 | 合金材、γ線、LIB電極材、磁石、絵具 等 |
Ni | ニッケル | 28 | ステンレス鋼材、形状記憶合金、ニクロム線、ニッカド電池、形状記憶合金材 等 |
Ga | ガリウム | 31 | 青色発光ダイオード材、各種電子機器、化合物半導体 等 |
Ge | ゲルマニウム | 32 | ダイオード、赤外線レンズ、光検出器 等 |
Se | セレン | 34 | 感光ドラム、カメラの露出計、ガラス着色剤・脱色剤、整流器 等 |
Rb | ルビジウム | 37 | ルビジウム発振器、原子時計、年代測定 等 |
Mo | モリブデン | 42 | オイルの添加剤、モリブデン鋼、電子基盤 等 |
レアアースの主な用途
元素記号 | 元素名 | 原子番号 | 主な用途 |
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Sc | スカンジウム | 21 | スポーツや映画撮影用の照明、自転車の軽量フレーム、メタルハライドランプ、触媒 等 |
Y | イットリウム | 39 | 蛍光体、光学ガラス、コンデンサー誘電体、レーザー材料、永久磁石、酸化物超伝導体 等 |
La | ランタン | 57 | 特殊ガラス原料、自動車排ガス還元触媒、水素吸蔵合金 等 |
Ce | セリウム | 58 | 自動車排ガス浄化用触媒、研磨剤、紫外線吸収材、酸化剤 等 |
Pr | プロセオジム | 59 | 磁性材料、溶接作業用ゴーグル、釉薬、光ファイバー 等 |
Nd | ネオジム | 60 | 磁性材料、レーザー材料、着色剤 等 |
Pm | プロメチウム | 61 | 夜光塗料、蛍光灯グロー放電管、β線厚さ計、原子力電池 等 |
Sm | サマリウム | 62 | 磁性材料、レーザー材料、年代測定、自動車排ガス還元触媒 等 |
Eu | ユウロピウム | 63 | 蛍光体、磁性半導体、光インク、NMRシフト試薬 等 |
Gd | カドリニウム | 64 | 光磁気ディスク、光ファイバー、造影剤、蛍光化剤、磁気冷凍材料 等 |
Tb | テルビウム | 65 | 光磁気ディスク、磁性材料、レーザー、印字ヘッド 等 |
Dy | ジスプロシウム | 66 | 磁性材料、蛍光塗料、光磁気ディスク材料 等 |
Ho | ホルミウム | 67 | レーザーメス、ガラス着色、ホルミウムレーザー、分光光度計の調整 等 |
Er | エルビウム | 68 | 光ファイバーの添加剤、レーザー、ガラス着色 等 |
Tm | ツリウム | 69 | 光ファイバー、レーザー、蛍光体、X線源放射線量計 等 |
Yb | イッテルビウム | 70 | ガラス着色、レーザー材料、放射線源、コンデンサ、ルイス酸触媒 等 |
Lu | ルテチウム | 71 | 陽電子検出器(PET診断)、年代測定 等 |
主な分析項目
- 元素定量分析(ICP-AES、ICP-MS、原子吸光法)
- 元素定性分析(XRF、XRD、EDX 等)
- 表面分析(XPS、TOF-SIMS 等)
- 面分析(FE-EPMA、Raman等)
- 形態観察(FE-SEM、FE-TEM、共焦点レーザー顕微鏡)
- 微小部元素分析(FE-TEM-EDX)
※試料形態や性状により、測定不可となる場合があります。
技術事例
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TN532NEW高圧ガス吸着法によるガス吸蔵特性の評価
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TN462ガラス中にドープされた金属元素のESR による価数評価
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TN051誘導結合プラズマ質量分析法による超微量元素分析
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TN484各種材料設計のための高感度TMAによる線膨張率の精密測定
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TN480固体・粉体の炭素・硫黄定量分析(燃焼-赤外線吸収法)
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TN023ICP-AESによる金属元素定量分析
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TN438固体サンプラーBremS®による気中の酸・塩基性成分の評価
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TN425密閉空間内のガス分析
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TN407TOF-SIMSによるガラス表面の広領域マッピング
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TN405TOF-SIMSによるウォーターマークの定性分析
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TN153TOF-SIMSによるシリカ粒子断面マッピング
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TN045クリーンルーム空気中の微量物質の分析