リキッドバイオプシーは、血液など低侵襲性の液体生体試料を用いて診断や治療薬の選択等に役立つ技術であり、内視鏡や針を用いた患者負担の大きい生検に代わり、繰り返し行うことができる検査方法として近年注目されています。
当社は、リキッドバイオプシーの主要な評価対象として注目されるエクソソーム(sEV)、循環腫瘍細胞(CTC)、セルフリーDNA(cfDNA)の測定解析サービスを包括的に提供し、リキッドバイオプシーに関わる研究開発を分析面から幅広くサポートします。
主な受託メニュー*
エクソソーム <細胞外小胞(Small Extracellular Vesicles: sEV)> |
エクソソームの濃縮・精製、品質管理から、内包されるmicroRNA、たんぱく質などのバイオマーカーの測定まで、包括的な測定解析サービスを提供します。 |
循環腫瘍細胞 <Circulating Tumor Cells: CTC> |
マイクロ流路チップ型セルソーターを用いて、最大血液量8mLよりCTCを分離し、表面マーカー・標的分子の発現解析や変異遺伝子検出など多様な項目をバイオマーカー情報として提供します。 |
セルフリーDNA <Cell Free DNA:cfDNAまたはCirculating Tumor DNA: ctDNA> |
血液もしくは血漿からセルフリーDNAを抽出し、PCRや次世代シーケンサー(NGS)を用いて変異遺伝子を検出します |
【ヒト臨床サンプルにおける留意事項】
・ご所属機関における倫理審査委員会において科学的及び倫理的妥当性に関する承認を得た上でご依頼ください。
・インフォームドコンセントを受けたものであること、個人情報が特定できないよう氏名等削除措置が実施されていることをご確認の上、ご提供ください。
・感染性物質が含まれるサンプル(HCV、HIVなど)は取り扱っておりません。
試験詳細情報
循環腫瘍細胞
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概要 | |
CTCは、がん原発巣から上皮間葉転換により血中に遊離して体内を循環するがん細胞であり、がんの転移に深く関与しているとされています。しかしながら血中には赤血球、白血球など大量の血液細胞が存在することから、極めて微量にしか存在しないCTCを高純度に回収し、遺伝子解析(変異遺伝子検出)を行うことはこれまで困難とされてきました。 当社のCTC測定法は、マイクロ流路チップ型セルソーター、及び繰り返しソーティング技術を採用し、最大血液量8mLよりCTCを高純度に分離することを特長としています。 高純度分離により得られたCTCを用いることで、表面マーカー・標的分子の発現解析や変異遺伝子検出など、目的に応じて多様な評価項目をバイオマーカー情報として提供します。 |
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受託項目 | 概要 |
CTC数の計測 | CTCを分離し、CTC数を計測します。 |
腫瘍細胞表面マーカー・標的分子発現解析 | CTCの表面マーカー・標的分子の発現強度を解析することにより、「治療導入効果」や「薬剤有効性」を検討・評価します。 |
上皮間葉転換(EMT)解析 | CTCにおけるサイトケラチン(上皮系マーカー)とビメンチン(間葉系マーカー)の発現強度を解析し、がん浸潤・転移や薬剤抵抗性を検討・評価します。 |
CTC-NGS解析によるがん変異遺伝子解析 | 分離したCTCよりDNAを抽出し、次世代シーケンサー(NGS)を用いて変異遺伝子を検出します。 |
【CTC回収の流れ】
【回収したCTCの遺伝子解析の流れ】
試験詳細情報
セルフリーDNA(cfDNA) |
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概要 | |
cfDNAは、血液中に遊離して存在している170塩基対前後のDNA断片です。 特にがんの分野では生検に代わりcfDNAを用いることで、がんドライバー変異の探索、がんの進行や再発、薬効予測や治療効果などのバイオマーカーとして研究・実用化が進められています。 一方で、正常細胞に由来する大部分のcfDNAからがん細胞由来のcfDNAを識別するために、高感度な分析法が求められています。 当社ではqPCRや分子バーコードを使用したNGSのパネル解析により、高感度検出が可能です。 |
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受託項目 | 概要 |
cfDNAの変異遺伝子解析 | 血液もしくは血漿からcfDNAを抽出し、qPCR、もしくは分子バーコードを使用したNGSのパネル解析により変異遺伝子解析を行います。 |
【cfDNA -その特徴- 】
【デジタルPCRとNGSでの変異遺伝子確認比較】
技術事例
関連情報