1. HOME
  2. サービス
  3. ライフサイエンス・ヘルスケア
  4. 医療機器・医療材料
  5. 医療機器・医療材料に係る分析・試験サービス
  6. 医療機器の生物学的安全性試験

医療機器の生物学的安全性試験

製造販売承認申請等を行う予定の医療機器については、国際規格であるISO 10993-1もしくはJIS T 0993-1 に従った
生物学的安全性評価が求められています。これらの規格では、対象医療機器の臨床的な接触リスク(接触形態、接触部位や
接触期間)からいくつかのカテゴリに分類され、後述の表1~4に示す評価項目が規定されています。また、臨床使用実態
を考慮し、表1~4以外の評価を含めることについても別途検討する必要があります。
必ずしも規定されたすべての試験が要求されるとは限りませんが、当社では評価対象の医療機器に応じて、試験の実施が必要な評価項目に関するご相談から、お客様のご依頼目的にあわせ、国内外の提携試験機関で実施可能な試験サービスをご提案いたします。
最適なご提案にあたり、試験目的(開発段階スクリーニング、国内申請、海外申請、自主規制、ユーザー様の要望等)、評価対象の医療機器(医療材料)、希望する実施時期などをご連絡ください。

【お問い合わせフォーム記入時のお願い】
お問い合わせの際には、お問合せフォームの冒頭に【医療機器】を明記して頂けますようお願いします。
これを明記して頂けると、貴社へ素早くコンタクトすることができるようになります。

評価項目

ISO 10993-1 もしくは及びJIS T 0993-1 に従った生物学的安全性評価項目は以下の通りです。

医療機器の接触部位によるカテゴリ分類
一時的:生体に単一もしくは累積接触する合計時間が24時間以内
短・中期:生体に単一もしくは累積接触する合計時間が24時間を超え30日以内
長期:生体に単一もしくは累積接触する合計時間が30日を超える
 

表1. 健常な皮膚に接触する医療機器に必要とされる生物学的安全性評価
接触期間 細胞毒性 感作性 刺激性 全身毒性 埋植 遺伝毒性 がん原性 血液適合性
一時的          
短・中期          
長期          
表2. 健常な粘膜に接触する医療機器に必要とされる生物学的安全性評価
接触期間 細胞毒性 感作性 刺激性 全身毒性 埋植 遺伝毒性 がん原性 血液適合性
一時的          
短・中期  〇 〇  〇     
長期  〇 〇  〇  〇   
表3. 損傷した皮膚・粘膜または血液以外の内部組織に接触する医療機器に必要とされる生物学的安全性評価
接触期間 細胞毒性 感作性 刺激性 全身毒性 埋植 遺伝毒性 がん原性 血液適合性
一時的  〇        
短・中期  〇 〇  〇     
長期  〇 〇  〇  〇   
表4. 血液に接触する医療機器に必要とされる生物学的安全性評価
接触期間 細胞毒性 感作性 刺激性 全身毒性 埋植 遺伝毒性 がん原性 血液適合性
一時的  〇      〇
短・中期  〇 〇     〇
長期  〇 〇  〇   〇

 ※表1~4は下記文献に記載の内容から一部改変したものです。
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構:生物学的安全性評価審査のポイント 2025年6月4日
available from https://www.pmda.go.jp/files/000275706.pdf (accessed 2025-08-26).

 

試験の概要

試験項目 概要 
細胞毒性試験 動物レベルの毒性試験をより単純な哺乳類培養細胞で評価します。医療機器から溶出された化学物質の細胞障害性を高感度で検出するための試験で、通常、抽出溶媒を試験検体としています。一部製品については臨床使用を考慮して、直接医療機器を接触させる試験の選択が必要な場合もあります。
感作性試験 医療機器から溶出された化学物質等が繰り返し生体と接触したときに、アレルギー性の接触皮膚炎(遅延型過敏症)を引き起こすか否か、程度はどのくらいか評価する試験です。
刺激性試験/皮内反応試験 医療機器内もしくは表面上に存在する物質が生体組織と接触した場合、その接触部位に対する炎症反応を評価する試験です。通常、臨床適用部位が皮膚の場合は皮膚刺激性試験、生体内組織に接触する場合は皮内反応試験を選択し、どちらか一方を実施します。
また、臨床適用部位により眼刺激性試験、口腔、直腸、膣、陰茎の各種粘膜刺激性試験を考慮する必要があります。
全身毒性試験 医療機器から溶出された化学物質等を動物に投与(主には経口)して全身的な影響を見る試験です。医療機器の用途に応じて急性、亜急性、亜慢性、慢性の各期間の影響を観察します。埋植試験との併合試験も可能です。
埋植試験 生体内で使用する医療機器について、生体との反応性や適合性等を評価する試験です。局所のみを評価する場合と全身への影響を評価する場合があります。
遺伝毒性試験 医療機器から溶出された化学物質等が細胞のDNAに傷害を生じさせ、それに起因して細胞や個体レベルで遺伝子突然変異や染色体異常を起こすか否かを評価する試験です。
例として、Ames試験、染色体異常試験、マウスリンフォーマTK試験、小核試験などがあります。
がん原性試験 医療機器から溶出された物質が発がん性を示すかどうか予測する試験です。発がん性試験が必要であると判断される場合には、遺伝子組み換えモデルやOECD 試験ガイドライン453に記述されている慢性全身毒性と腫瘍形成性を評価する試験法が参考になります。
血液適合性試験 医療機器が血液に損傷や活性化の影響を与えることで生じる溶血、出血および塞栓などの健康被害や血液が医療機器に血液成分の付着などの影響を与えることで医療機器に不具合が発生し、その結果生じる健康被害などのリスク評価を実施するために行う試験です。
その他の試験 臨床使用実態を考慮し、材料由来の発熱性試験、生殖発生毒性試験、生分解性試験等の実施を検討する必要があります。
・参考
令和2年1月6日付け薬生機審発0106第1号 厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長通知
「医療機器の製造販売承認申請等に必要な生物学的安全性評価の基本的考え方についての改正について」
令和7年3月11日付け医薬機審発0311第1号 厚生労働省医薬局医療機器審査管理課長通知
「「医療機器の製造販売承認申請等に必要な生物学的安全性評価の基本的考え方についての改正について」
の全部改正について」
 

 


技術事例

お問い合わせ

分析・測定や商品、コンサルティングなどのサービスに関するお問い合わせやご依頼は、お問い合わせフォームからお問い合わせください。