見えない危険を体感で学ぶ— 現場で完結する静電気安全教育
静電気は日常生活においても頻繁に起こる現象ですが、目に見えないため危機意識は低くなります。
本研修では、作業内のどこに危険が潜んでいるかを座学と体験で学ぶことができます。
お客様ご指定の事業所・研究所に当社講師がお伺いし、持参した体感器材等を用いて実施いたします。
参加される社員の方の移動時間や交通費をかけることなく、体感研修を受講できます。
ポイント:
✔ 静電気専門講師が貴社へ伺い、特別な機材を使用し「静電気を見える化」します。
✔ eラーニング・座学・体験の組み合わせで、知識と実践力を同時に習得できます。
✔ 汎用的な動作や作業を模した体感実験で、潜在危険・対策立案スキルを習得できます。
推奨環境とスケジュール
◆推奨受講人数 :8名~16名/1班
◆基本コース :半日
◆必要なもの :会議室 AC電源
研修の流れ | 学習内容 |
---|---|
1.eラーニング | 静電気の基礎知識をオンラインで学習 |
2.座学 | 講師による詳しい解説 |
3.体感実験 | 特殊機材を使用し、静電気の発生と危険性を実感 |
4.オンラインテスト | 習得した知識を確認 |
研修プログラム
日常操業での具体的な作業を題材として「演習」と「実験」で構成された実践的な研修が行えます。危険個所の特定や対策スキルに加え、防災意識の向上(安全確保行動の促進)が期待できます。
例えば、粉体投入作業時の床面に関するテーマでは、演習で学んだ事故シナリオを実験によって検証します。不適切な床面で作業した際に発生する静電気放電を体感することで、静電気対策の重要性を経験的に理解することができます。また、適切な床面の確認方法についてもカリキュラムに含まれていますので、様々な作業条件における現状把握と対策の有効性確認のスキルも習得できます。
※お客様のご要望や教育方針に応じてプログラムや受講人数をカスタマイズいたします。
座学 | 身近な静電気現象の理解 | ||
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液体移し替え作業 | |||
粉体充填作業 |
実験 番号 |
タイトル | 実験概要 | 意味・重要性 |
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1 | 各種素材の摩擦帯電 | フッ素樹脂シート、PE、ナイロンを用いた実験で摩擦帯電を理解する | 摩擦帯電は事故シナリオの起因事象になることが多く、静電気危険に気付くスキルや安全対策立案実行スキルのベースとなる知識です |
2 | 静電誘導① (物) |
アルミ板を静電誘導させて電位と電撃を体験する | 静電誘導は非接地導体による典型的な事故シナリオの起因事象に続く危険な現象であり、静電気危険に気付くスキルや安全対策立案実行スキルのベースとなる知識です。人にも生じる現象ですので、しっかり理解することが大切です |
3 | 静電誘導② (人) |
人を静電誘導させて電位と電撃を体験する | |
4 | 各種静電気放電 | 各種放電のデモを行う | 静電気放電は事故シナリオの着火原因となる重要な現象です。静電気放電の種類は、リスクアセスメントにおける着火の起こりやすさの判断や安全対策の要否・重要性を判断するために不可欠な知識です |
5 | アースとボンディング | アルミ板とフッ素樹脂板を使ってアースの効能と適用限界、注意点を見える化する | アースは最も重要かつ簡単に実施できる対策であり、アースとう言葉を知らない人はいないほど認知度が高い言葉ですが、理解度不足による不適切な運用によって事故を誘発するケースもあり得ます。アースはボンディングとの併用も重要ですので、しっかり理解することが大切です。 |
6 | 床の静電気対策 | 床の漏洩抵抗測定 | 床の静電気対策は、人の静電気対策の一部としてとても重要ですが、床の静電気対策レベルの維持はとても難しいケースがあります。床の漏洩抵抗測定は床の静電気対策レベルの維持管理に重要な技術です。 |
7 | 靴の静電気対策 | 静電靴チェッカーを用いた靴の健全性確認 | 靴の静電気対策は人の静電気対策の一部としてとても重要ですが、正しく使用しなかったり管理が悪いと静電気放電による着火事故が発生する恐れがあるので、正しい管理方法を含めて学びます。 |
8 | 人の静電気対策 | 非接地状態で人に電圧を印加して電位上昇や減衰挙動を確認 | 人の静電気対策は、人に直接アース線を取り付けるのが一番の対策ですが、移動が制限されたりアース線による転倒リスクがあるので、採用されているケースは稀です。アース線以外による人の静電気対策としては、服、靴、床の対策がありますが、必要条件をしっかり理解し、適切な安全管理につなげていくことが大切です。 |
9 | 粉体投入作業 | 50LステンレスドラムにMMAペレットを投入 | 粉体取扱い作業場におけるアース不良による静電気放電着火のデモ実験を行い、アースの大切さを学びます。 |
10 | 導電性液体のホースでの取り扱い | 水をフッ素樹脂チューブに通した時の静電気危険を確認 | 水やエタノールのように電気を通しやすい液体は静電気帯電しないと勘違いされているケースがあります。導電性の液体は、悪条件が揃うと電気を通さない物よりも静電気的に危険なことを学びます。 |
11 | スコップや小さな容器類の手作業での取扱い | 手袋の種類によって、手に持った物品の漏洩抵抗を測定 | 粉や液の取り扱いで金属製の小さな容器やスコップ等を手にもって作業する場合における手袋由来の危険と対策について学びます。 |
12 | 間違った静電気対策 -粉体が入った容器の除電ー |
ポリビーカーとMMAペレットで実験 | 理解度不足による典型的な静電気対策の失敗事例を実験的に学びます。 |

椅子から立ち上がっただけで・・・
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