ADC(抗体薬物複合体)の生体試料中濃度測定(詳細)

複雑な分子構造を有する抗体薬物複合体(Antibody-drug conjugate;ADC)の薬物動態を理解するためには、その構造に由来するそれぞれの成分である総抗体濃度、ADC濃度、非結合型/遊離ペイロード(薬物)およびその活性代謝物の生体試料中濃度測定が必要となります。

抗体薬物複合体(Antibody-drug conjugate;ADC)の構造と、構成成分(ペイロード、抗体、リンカー)を説明する画像

星薬科大学-薬学部、 “世界で唯一の「糖鎖研究」で解き明かす、生命科学の新たな可能性”、 <https://www.hoshi.ac.jp/star/37995/>、 (accessed 2025.11.19)を参考に作成

ADC構成成分の分析手法

当社は、質量分析(LC-MS/MS)やLigand Binding Assay(LBA)に加えて、免疫沈降(Immunoprecipitation;IP)等の前処理とLC-MS/MSのハイブリッド評価法(IP-MS)により、総抗体、ADC、ペイロード(非結合型および結合型)およびその活性代謝物濃度を測定いたします。

ADC医薬品の開発に必要なADC構成成分の分析手法を説明する画像

羽原広; DMPK、39(1)、25(2024)の図1を参考に作成

特長

当社は低分子から高分子医薬品までの豊富な分析実績を生かし、ADC医薬品開発の創薬初期研究から承認申請までの分析ニーズにお応えいたします。

  • 開発ステージ毎の研究目的に沿った分析設計
  • 高感度MS(TQ7500/SCIEX)を駆使した微量成分の定量
  • 豊富な経験と安定した手技による高精度LBA
  • 高速自動イムノアッセイシステム(Gyrolab™/Gyros Protein Technologies)やIP処理などの自動化(KingFisher Apex System/Thermo Fisher Scientific Inc.)による迅速測定
  • 規制対応試験(GLP、信頼性基準、ICH-M10:生体試料中薬物濃度分析法バリデーションおよび実試料分析に関するガイドライン)への対応

ADC研究開発における薬物動態研究イメージ(SCASサービス)

ADC研究開発における薬物動態研究イメージを説明する画像

岡本裕美、 永井陽子; DMPK、39(3)、5(2024)の図1を参考に作成

受託実績

  • 創薬初期における非規制下でのLC-MS/MSを用いた非結合型ペイロード測定に加えて、IP処理を組み合わせた結合型ペイロード測定も、これまで多くの受託実績があります。
  • 臨床測定や申請に向けた規制対応試験においても、LBA法によるADC、総抗体やADAの測定のほか、LC-MS/MS法によるペイロード測定など、分析法バリデーションの実施や検体測定の豊富な経験があります。

その他

ADCの主要構成成分以外にも、ADC開発に必要な関連分析に対応いたします。

測定対象 サービス内容
ADA(Anti-drug Antibody)
  • ELISA(Enzyme-linked immuno-sorbent assay)法
  • 電気化学発光(Electrochemiluminescence: ECL)法
  • 表面プラズモン共鳴(Surface plasmon resonance: SPR)法
高感度化の実績も豊富です。
酸乖離法による偽陰性の低減も可能です。
サイトカイン
  • ELISA法(自動化機器Simple Plex (Ella TM) を含む)
  • ECL法
  • PBMCを用いた放出アッセイ(in vitro)
その他
  • 薬物相互作用(Drug-Drug Interaction: DDI)試験における併用薬の測定
  • 補体や各受容体との結合性評価(in vitro)
  • 特性解析・薬物抗体比(Drug-Antibody Ratio: DAR)分析 等

参照

  • GLP(厚生省令第21号)「医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準に関する省令」
  • 信頼性基準実施体制(医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律施行規則第43条)
  • GCP(厚生省令第28号)「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」

技術事例

お問い合わせ・ご相談