水素ガスの品質評価

半導体産業で培った微量ケミカル分析のサンプリングおよび分析技術を駆使して、燃料電池車や燃料電池バス用の水素燃料の品質評価としてISO規格14687 Grade-Dに適合するための分析をいたします。
背景
水素は、次世代エネルギーの1つとして注目されており、交通、電力、半導体、化学、医療分野などの様々な分野で利用されています。我が国では2015年の燃料電池車(Fuel Cell Electric Vehicle:FCEV、FCV)発売開始に伴い、その燃料である水素を充填するための水素ステーションの建設が進められています。FCEVに充填する水素燃料は、ISO14687 Grade-Dにおいて、不純物を最大許容濃度以下にすることが要求されています。この項目には電池の性能に悪影響を及ぼす成分も含まれることから、品質の維持管理に高感度・高精度な分析が必要とされています。
特長
当社は、これまで燃料電池、半導体、医療分野など、製造・製品、研究開発の品質管理における成分分析を実施してきました。同じ分析技術を用いて水素ガスについては家庭用燃料電池、燃料電池車、水素ステーションなどの水素ガス利用設備、再生可能エネルギー、CO2フリー水素ガスの供給システムの確立に向けた技術開発、実証試験設備の品質管理分析の実績があります。
- ISO14687 Grade-D要求項目以外の不純物も含め、製法に合わせた不純物評価法も提案
- サンプリングキットを用いた現地測定、採取、前処理により迅速に結果報告
- 水素ステーションの定期検査や建設時において要求される水素燃料中の不純物の高感度・高精度分析
- 商用、実証水素ステーションのディスペンサノズル先端およびそれ以外のポートだけでなく、プロセス開発における様々な条件(ガス圧、取口形状、ガス量)に対応したサンプリングの対応
水素インフラ支援サービス
- 水素製造、装置の部材、ガスの技術開発における品質評価
- 水素ステーション運営における月次、年次検査での品質評価
- 再生可能エネルギー由来の水素製造プロセス管理評価(下水処理、バイオガスなど)
- 低炭素水素利活用開発実証設備の品質評価(太陽光、小水力発電設備など)
- CO2フリー水素サプライチェーン供給における品質評価
試験方法
水素ステーション供給水素及び製造プロセスガスの品質評価(ISO14687 Grade-D)
| No. | 管理成分 | 規格値 | 当社定量下限例 | 標準的な分析手法 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 水分(H2O) | 5ppm | 1ppm | 露点計 |
| 2 | 全炭化水素(C1換算) | 2ppm | 1ppm | GC-FID |
| 3 | メタン | 100ppm | 1ppm | GC-FID |
| 4 | 酸素(O2) | 5ppm | 1ppm | 酸素計 |
| 5 | ヘリウム(He) | 300ppm | 100ppm | GC-TCD |
| 6 | 窒素(N2) | 300ppm | 50ppm | GC-TCD、GC-HID |
| 7 | アルゴン(Ar) | 300ppm | 50ppm | GC-TCD、GC-HID |
| 8 | 二酸化炭素(CO2) | 2ppm | 0.2ppm | メタン化GC-FID、GC-HID |
| 9 | 一酸化炭素(CO)※1 | 0.2ppm | 0.2ppm | メタン化GC-FID、GC-HID |
| 10 | 全硫黄化合物(H2S換算)※2 | 0.004ppm | 0.004ppm | 濃縮GC-FPD |
| 11 | ホルムアルデヒド(HCHO)※1 | 0.2ppm | 0.01ppm | 固体捕集+LC |
| 12 | ギ酸(HCOOH)※1 | 0.2ppm | 0.001ppm | 溶液または固体捕集+IC |
| 13 | アンモニア(NH3) | 0.1ppm | 0.001ppm | 溶液または固体捕集+IC |
| 14 | ハロゲン化合物 | 0.05ppm | 0.001ppm | 溶液または固体捕集+IC |
| 15 | 最大粒子濃度 | 1mg/kg | 1mg/kg | フィルター重量法 |
- ※1 一酸化炭素、ホルムアルデヒド、ギ酸の測定値合計は0.2 ppm以下とする
- ※2 全硫黄化合物は、H2S、COS、CS2、メチルメルカプタンを含む(要望に応じて更なる高感度定量可)
サンプリングキット
水素品質評価用サンプリングキットは、以下2種のユニットで構成され、水素製造から充填および供給設備までの各プロセスにおける水素ガスのサンプリングを短時間で作業できるように設計しました。
-
1.固体捕集サンプラーユニット
水分と酸素の測定、およびホルムアルデヒド、ギ酸、アンモニア、ハロゲン化合物の捕集が現地で行えます。 -
2.シリンダユニット
ガスクロマトグラフで分析する項目のガス採取が現地で行えます。採取容器に小型SUS製シリンダを用いることで、ユニットの小型化・軽量化を実現致しました。
低圧ガスや高感度定量への対応
独自に開発したサンプリングキットや、各種のサンプリング手法を用いることにより、プロセス開発における様々な条件(ガス圧、取口形状、ガス量)に対応したサンプリングの対応が可能です。また、高感度な測定機器を組み合わせることによって、ISO14687で求められる規格値よりも高感度な分析が可能なため、低濃度レベルでの品質評価が可能です。
ご依頼・分析の流れ
関連語句
産業
水素/ISO14687/燃料電池自動車/水素ステーション
技術
オンサイト分析/シリンダユニット/固体捕集サンプラーユニット
業種
工業(石油・ガス開発)/輸送用機器/陸運/電気ガス
技術事例
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