循環腫瘍細胞(CTC)の高純度分離とバイオマーカー分析

がん原発巣から血中に遊離し、体内を循環する循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell;CTC)は、がん転移に深く関与するとされ、がんバイオマーカーとしての活用が期待されています。一方、CTCは血液中で極めて微量なため、これまで、高純度分離とバイオマーカーとなるCTC中のタンパク質や遺伝子解析は困難でした。
当社では、マイクロ流路チップ型セルソーターと繰り返しソーティングにより、血液からCTCを純度高く分離・回収する方法を確立しました。これにより精度良くCTC数の計測を行い、表面マーカーや標的分子の発現を解析することが可能になりました。また、CTCを安定に長期保存する技術を開発したことで、がんの臨床や治療研究におけるCTCの活用幅が広がり、実用化に向けて分析面から強力にサポートできるようになりました。
当社のCTC分離・回収・計測サービスは「がん病態の進行度」や「治療効果」等の評価に、表面マーカー・標的分子発現解析サービスは「がん治療標的タンパク質」や「薬剤抵抗シグナル」等の解析・評価に資するソリューションを提供いたします。
特長
当社は、がんの研究開発においてCTCを一層活用できるよう、次のような取り組みを行っています。
-
1.マイクロ流路チップ技術を用いたOn-Chip® Sort(オンチップ・バイオテクノロジーズ社製)の繰り返しソーティング技術を採用し、夾雑物の混入を抑えることで、CTCを高純度に分離・回収いたします(純度:分離前0.2×10-5%から分離後50%以上へ、約2500万倍以上濃縮)。
-
2.高純度で分離・回収したCTCを用いることにより、表面マーカー・標的分子など各種タンパク質や遺伝子をノイズレスに発現解析することが可能となりました。また遺伝子解析では、全ゲノム増幅(Whole Genome Amplification: WGA)を介さない手法を採用することで正確性の高い遺伝子(DNA)変異情報を提供いたします。
-
3.長期(約1~6か月間)保存可能な方法を開発しました。採取したCTC検体をストックしておくことで、レトロスペクティブな解析も可能です。
がん治療の研究開発において期待されるCTC解析データの用途
当社サービスは次のソリューションを提供いたします。
- CTC回収後の個数解析:がん病態の進行度、治療効果の評価に利用できます。
- CTCの特性解析(DNA変異、RNA発現量(サービス準備中)、各種タンパク質解析):治療標的タンパク質や薬剤抵抗シグナルの解析・評価に利用できます。
イメージ図
主な受託メニュー※
| CTC分離・回収・計測 | セルソーター法によりCTCを分離し、CTC数を計測します。がん病態の進行度、治療効果等の評価に活用ください。 |
|---|---|
| 腫瘍細胞表面マーカー・標的分子発現解析 | CTCの表面マーカー・標的分子の発現強度を解析します。治療標的因子や薬剤抵抗シグナル等の解析・評価に利用できます。 |
| 上皮間葉転換(EMT)解析 | CTCにおけるサイトケラチン(上皮系マーカー)とビメンチン(間葉系マーカー)の発現強度を解析します。がん浸潤・転移や薬剤抵抗性等の検討・評価に重要な情報となります。 |
| CTC特性(内包成分)解析 | qPCR (quantitative Polymerase Chain Reaction)および次世代シーケンサー(Next Generation Sequencing: NGS)を用いて、遺伝子変異解析(DNA)および発現量解析(RNA※)を実施します。(※RNA発現量解析はサービス準備中) |
- ※本サービスは研究を対象としており、診断目的でのサービス提供ではありません。
ヒト臨床検体における留意事項
- お客様が所属される研究機関や病院等における倫理審査委員会において、科学的および倫理的妥当性に関する承認を得た上でご依頼ください。
- インフォームドコンセントを受けたものであること、個人情報が特定できないよう氏名等削除措置が実施されていることをご確認の上、ご提供ください。
- BSL3以上の感染性物質を含む検体およびヒト免疫不全ウィルス(HIV)陽性検体は受け入れできません。※
- ※COVID-19はウィルスとしてはBSL3ですが、検体はBSL2として取り扱いを可能とする国立感染症研究所の方針に則って、特別な措置の上、受け入れ可としています。
分析技術紹介
技術事例
お問い合わせ・ご相談
