S8ガス試験

硫黄ガス(S8ガス)による電子機器の耐久性を調査します。

自動車の電子制御化に伴い、電子制御を担う電子機器は今後、増々エンジンルームに集中されると言われています。このエンジンルームには、架橋剤として硫黄が添加されているゴム製品(ダクト、パッキン等)が多く利用されています。このゴム材料は、加熱されることによって硫黄ガス(S8ガス)が発生すると言われています。S8ガスは、環境の湿度に依存せず、電子機器の基板や配線、電極を腐食させ、電子機器を故障させる懸念があります。そのため、製品の品質・信頼性の確認には、エンジンルーム環境を模擬したS8ガス試験法が有効です。

特長:当社のS8ガス試験

試験概要

試験方式

チャンバー式

  • 当社オリジナル法

試験温度

~100℃(湿度制御無し)

  • 任意の温度で試験が可能

ガス濃度

約6ppm(90℃設定時)

  • 温度によって濃度は変動

規定ガス濃度到達時間

24時間

試料サイズ

200×150×50mm

  • サイズ変更可能
S8ガス試験イメージ
S8ガス試験イメージ

当社のS8ガス試験(チャンバー式)のメリット

①途中取り出しの作業による温度、ガス濃度の変化が少ない
→S8ガスの規定濃度への到達時間が速い。

②試験条件の安定性、且つ再現性が良く、高品質な試験が可能
→試験槽内のガス濃度が均一、且つ安定している。

③ご指定条件下でのガス濃度を正確に把握することが可能(暴露環境の条件管理)
→長年培った化学分析技術により高精度なS8ガス濃度の計測が可能。

チャンバー内のS8ガス濃度の時間推移
チャンバー内のS8ガス濃度の時間推移

事例:耐硫黄試験(耐硫化試験)

各種硫黄系ガス暴露試験による金属材料の腐食評価
各種ガス暴露試験の腐食性を確認するため、「銀板」と「銅板」に対し、下表の通り試験を行いました。

試験方法 ガス種 ガス濃度 温湿度 試験時間
S8ガス試験(チャンバー式) S8 約6ppm 90℃(湿度制御無し) 96時間
ガス腐食試験※(フロー式) H2S 5ppm 25℃・75%RH 96時間
ガス腐食試験※(フロー式) SO2 5ppm 25℃・75%RH 96時間
  • ガス腐食試験機を用いた試験

試験結果1:各種試験による金属材料の外観の変化(外観画像)

銀板、銅板共に各種ガスへの暴露によって外観上の色味の変化が確認されました。特にS8ガス試験では、色味の変化が大きく、他のガス種と比較して腐食が進行していることが推測されます。

試料 初期 S8ガス試験(S8) ガス腐食試験(H2S) ガス腐食試験(SO2)
銀板
銅板

試験結果2:各種試験による金属材料の腐食量の比較(重量変化)

96時間の試験において、銀板と銅板共にS8ガス試験による重量増加量が優位に高い結果となりました。また、銀板は銅板よりも約4倍の重量増加を示し、銀への腐食性が強いことが推測されました。
この結果より、S8ガス試験は、ガス腐食試験(H2S、SO2)と比較して、より一層の過酷な試験であると言えます。

各種試験による金属材料の腐食量の比較(重量変化)
各種試験による金属材料の腐食量の比較(重量変化)

考察:S8ガス試験の有用性

電子機器の電極等の基板や配線、電極に用いられる銀や銅への腐食性が高い点や、エンジンルームの実環境を模擬している点から、車載用電子機器の信頼性を評価する上で、チャンバー式のS8ガス試験は有効であると考えられます。
さらに、S8ガス試験と形態観察、化学分析、物性評価による定量的な情報を組み合わせることによって、腐食状態を数値化・指標化し、お客様の製品開発のスピード向上に貢献いたします。

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