各種試験概要
1. ガス爆発
可燃性ガスまたは蒸気が、ある比率で空気と混合すると、爆発性をもつ混合ガスを形成し、なんらかの着火源の存在により爆発を起こします。爆発防止の観点からは燃焼の3要素である燃料、空気(酸素)、火源の何れかを無くせばよいわけですが、現実にはそれが困難な場合もあるため、対象物質について爆発を起こす条件を明らかにして、その条件の範囲外で取り扱うことが必要となります。また万一爆発を起こした場合でも、その影響を最小限に止めるために、爆発時の威力を知っておくことも重要です。それが以下に示す試験です。
しかし、爆発現象は温度、圧力はもとより試験装置、方法などによって影響を受けますので、 結果の取り扱いについては専門的見地からの充分な検討が必要です。
住化分析センターではより現実に即した試験評価が出来るよう、以下に示す2種の装置を備えております。
| 1L球形爆発試験装置 | 2L球形爆発試験装置 | |
| 圧力 | 減圧~10×105Pa(G) | 減圧~10×105Pa(G) |
|---|---|---|
| 温度 | 常温~200oC | 常温~300oC |
| 着火源 | ニクロム線溶断法 | ニクロム線溶断法 |
1-1)爆発範囲(上・下限界)
爆発を起こす上限の可燃性ガスまたは蒸気濃度を爆発上限界濃度、下限の濃度を 爆発下限界濃度といい、この両限界に挟まれた組成域を爆発範囲と呼んでいます。
爆発限界は温度、圧力等によって異なるので、操業条件に対応した条件で行う必要があります。
弊社では分解を起こさない物質については、最高300oCまでの測定に応じております。
1-2)限界酸素濃度
可燃性ガスまたは蒸気―酸素―不活性ガス(N2、CO2、H2O等)系において、 不活性ガス濃度を次第に増やし、酸素濃度を下げていくと可燃性ガスまたは蒸気の濃度に関わらず爆発を起こさなくなる酸素濃度があります。この時の濃度を限界酸素濃度といいます。弊社ではこれらの不活性ガスを用いた測定が可能です。
1-3)最小発火エネルギー[注]
可燃性ガスまたは蒸気が爆発性混合気を形成しているとき、着火源のエネルギーを小さくしていくと爆発しなくなります。 このように可燃性ガスまたは蒸気のいかなる濃度においても爆発しなくなるエネルギーを、最小発火エネルギーといい、下記の条件での最小発火エネルギー測定ができます。必要により高温(最高100oC)での測定も可能です。
| 装置 | 150mL円筒形爆発試験装置 |
|---|---|
| 圧力 | 常圧 |
| 温度 | 常温~100oC |
- [注]“最小発火エネルギー”の呼称は安全工学協会の用法に準じた。
2. 粉じん爆発
可燃性粉じんはある比率で空気中に浮遊すると、何らかの着火源の存在により、爆発を起こすことがあります。 このような粉じんに対して「爆発のしやすさ」と「爆発の激しさ」の観点から、以下の試験が行われます。しかし、粉じん爆発性は粉じんの種類、粒径に顕著に依存するばかりでなく、 ガス爆発同様に試験装置、方法によっても結果が異なる場合がありますので、データの取り扱いには注意が必要です。
粉じん下限界濃度測定、および爆発圧力測定が2002年にJIS化されました。 弊社では、それに伴い2003年6月より下限界濃度、爆発圧力・圧力上昇速度測定・爆発指数(Kmax)につきましてはJIS規格に準じた試験法を採用しております。
2-1)爆発下限界濃度
粉じん爆発の要因の一つに、粉じん-空気混合物中の粉じん濃度があり、その濃度範囲内においてのみ爆発が起こります。 その濃度の低い方の値を爆発下限界濃度と呼び、粉じん爆発の起こりやすさを知ることができます。爆発下限界濃度は粉体の粒子径等によって異なってきますので、粒子径は特定しておく必要があります。実際に粉じん雲を形成している粉体を対象とするため、規格では 通常63μm篩下品で測定しますが、特段の事情がある場合は、有姿での測定について個別にご相談に応じます。
| 装置 | 吹上式(JIS Z8818規格) |
|---|---|
| 温度 | 常温 |
| 圧力 | 常圧 |
吹上式粉じん爆発下限界濃度測定装置
2-2)限界酸素濃度
窒素等の不活性ガスを添加して、粉じん-空気混合物中の可燃性粉体の酸素濃度を減少させていくと、どのような粉じん濃度でも爆発を生じなくなる限界の酸素濃度があります。この酸素濃度を限界酸素濃度(爆発限界酸素濃度)といいます。
弊社では粉じん-酸素-窒素等混合ガス系での限界酸素濃度の測定ができます。限界酸素濃度も粉体の粒子径等により変わってきますので、粒子径は特定しておく必要があります。通常は63μm篩下品で測定します。
| 装置 | 吹上式 |
|---|---|
| 温度 | 常温 |
2-3)爆発圧力・圧力上昇速度
密閉容器内の粉じん-空気混合物が爆発すると、容器内の圧力が上昇します。爆発圧力はある最適粉じん濃度で最大値を示し、この最大値をその粉じん-空気混合物の最大爆発圧力と言います。また、爆発圧力の時間に対する変化率の最大値を最大圧力上昇速度 と呼びます。爆発圧力は粉じんの種類、粒子径、濃度の他に、容器形状や粉じんの流動状態等の影響を受けるため、爆発指数(Kmax)を求めるためには、20L以上の爆発試験装置による試験が必要とされていることから、弊社では20L球形爆発容器を用いて測定しております。通常は63μm篩下品で測定します。
| 装置 | 20L 球形(JIS Z8817規格) |
|---|---|
| 温度 | 常温 |
20L球形爆発試験装置
2-4)最小発火エネルギー[注]
粉じん-空気混合物に局所的にエネルギーを与えると、このエネルギーが圧力、温度、粉じん濃度等によって決まるある値よりも大きい場合発火します。この発火の有無の限界のエネルギー値を、その粉じん-空気混合物の最小発火エネルギーと呼び、粉体を空気中で取扱うか窒素中で取扱うかを決める重要な指標を与えてくれます。 弊社では吹上式粉じん爆発試験装置と容量電気火花電源装置を用いて測定が可能です。
最小発火エネルギーも粉体の粒子径等により変わってきますので、粒子径は特定しておく必要があります。 通常は63μm篩下品で測定します。また、IEC規格(国際電気標準会議)に準拠した「MIKE-3」による試験については、別途ご相談承ります。
| 装置 | 吹上式 |
|---|---|
| エネルギー測定範囲 | 数mJ~約1000mJ |
- [注]“最小発火エネルギー”の呼称は、安全工学協会の用法に準じた。因みに日本粉体工業協会では “最小着火エネルギー”としている。
3. 熱分解・熱安定性
3-1)熱重量-示差熱同時測定(TG-DTA)
試料と基準物質(一般にαアルミナ)の温度を定速で上昇させた時、両者の熱変化の差を温度(時間)の関数として測定する示差熱分析(DTA)と、試料重量の変化を温度(時間)の関数として測定する熱重量測定(TG)を同時に行う分析法です。転移、融解、固層反応、脱水、分解、蒸発等、あらゆる反応を高感度で測定でき、同時にその時の重量変化を測定します。
| 温度 | 室温~1400℃ |
|---|---|
| 雰囲気 | 空気、窒素ガス、他 |
3-2)示差走査熱量測定(DSC)
試料と熱的に安定な基準物質を同一条件で加熱すると、試料が発熱または吸熱したときに、熱を外部に放熱または外部から吸収します。その時の熱流を単位時間当りの熱量として測定する方法です。ポリマーや低分子有機物などの転移、融解、結晶化などの発熱量または吸熱量を定量的に測定することができます。
本測定ではステンレス密封容器を用いて発熱開始温度、吸発熱量等を測定し、化学製品や反応中間体などの熱的危険性をスクリーニングします。(Sield Cell-DSC)
また、ステンレスと反応する試料(ハロゲン等)は、金メッキ容器を使用します。
| 温度 | -140℃~600℃ |
|---|
3-3)高圧示差走査熱量測定(HP-DSC)
雰囲気ガスの種類と圧力を変えることが出来るDSCです。通常のDSCでは測定が困難な蒸気圧の高い試料の熱分解性の測定、 酸素との反応性、微量不純物の触媒阻害効果等の、化学物質の熱的危険性スクリーニングに用いられます。また、比熱、転移熱、 融解熱、蒸発熱等の熱的物性測定ができます。
| 温度 | 室温~600oC |
|---|---|
| 圧力 | 減圧~35×105Pa(G) |
| 雰囲気 | 非腐食性の不活性、還元、酸化雰囲気 |
3-4)自然発火性試験(SIT)
自然発火性とは「物質が空気中で、発火温度よりはるかに低い温度で自然に発熱し、その熱が長時間蓄積されて発火点に達し、ついに燃焼に至る現象」といわれております。弊社では試料を断熱状態下に置いたとき、燃焼に至るまでの時間を測定することができ、 化学製品あるいはその製造工程において使用される物質等の安全な取り扱い条件の探索や、自然発火特性の解明に用いております。さらに300oCまでの測定が可能な装置を導入し、炭素材料などの自然発火性試験に威力を発揮しております。
通常一定温度条件下で最大1週間測定します。
| 温度 | 室温+10℃~250oC(初期温度、一定) |
|---|---|
| 雰囲気 | 空気、酸素濃度調整ガス |
| 期間 | 最大1週間 |
3-5)暴走反応測定試験(ARC)
ARCは、反応性化学物質の熱安定性を評価する試験法のうちで、現在世界中で最も信頼性のあるものとして定評を得ている、 Accelerating Rate Calorimeter の略で、暴走反応測定装置と訳されています。コンピューターで制御された精密な断熱熱量計で、反応性化学物質が断熱条件下で自己発熱分解する際の、熱的挙動および発生圧力を定量的に測定できる装置です。
ここで得られる1次データは、住友化学が永年の経験に基づいて開発した独自の解析手法により、その物質を安全に取り扱うことの出来る温度や時間の情報として得ることが出来るため、反応性化学物質の製造工程や移送、貯蔵の際の危険性評価に大いに役立てて頂いております。特に室温近辺で不安定な物質に対しては、室温以下からの測定が出来るのも弊社の特徴です。
| 温度 | 約-30~400oC |
|---|---|
| 圧力 | 0~174×105Pa(abs) |
| 試料容器 | チタン、ハステロイC、金メッキ、SUS304 |
暴走反応測定試験装置(ARC)
3-6)測圧型圧力容器試験
消防法第五類(自己反応性物質)判定試験の圧力容器試験に準拠した方法で、破裂板の位置に圧力センサーと熱電対を取り付けた装置を用い、消防法第五類判定試験と同様に電気炉で加熱した場合の最大圧力、最大圧力上昇速度、最大温度および最大温度上昇速度を測定し、化学物質の熱分解の激しさを定量的に把握することができます。その際オリフィスはもとより密閉での測定も可能です。
3-7)BAM蓄熱貯蔵試験
自己反応性を有する物質は、長時間高温に置かれると反応が徐々に起こり、反応熱が内部に蓄熱して熱爆発に至ることがあります。 この自己加速分解を起こす最低温度をSADT(Self-accelerating Decomposition Temperature)と呼びます。SADT試験はいくつかの方法がありますが、そのうちの一つがこの試験法です。BAM(ドイツ物質試験研究所)蓄熱貯蔵試験は、500ミリリットルのデュワービンに400ミリリットルの試料を入れ、断熱材の蓋をして一定温度の空気恒温槽に入れます。そして、試料温度が雰囲気温度に達してから自己加速分解に至るまでの誘導時間を測定する方法です。
| 温度 | 室温~200oC(一定温度) |
|---|---|
| 雰囲気 | 空気 |
| 期間 | 最大1週間 |
4.機械的感度
以下の感度試験は、JIS試験法ですが、本来火薬類の性能評価試験であり、判定が定性的なためスクリーニング試験と捉えることが望ましく、この試験による結果が「感度有り」となった場合は、より高感度且つ定量的な試験法とされている弾道臼砲試験を行うことをお奨めいたします。
4-1)落つい感度試験
2個の鉄製円筒コロの間に挟んだ試料の上に、5kgの鉄ついを落下させ、その衝撃によって試料の分解性、爆発性を評価する試験法です。同一落高において6回の試験で1回だけ分解または爆発すると推定される時の高さ(1/6爆点)を求め、JIS等級(1~8級)で表します。
| 試験法 | JIS K4810 |
|---|---|
| 落高 | 5~150cm |
4-2)摩擦感度試験
磁器製の摩擦棒と摩擦板との間に試料を挟み、荷重を掛けた状態で摩擦運動をさせて、その荷重と爆発の成否との関係から感度を評価する試験法です。試験は6回のうち少なくとも1回分解または爆発する荷重を測定します(1/6爆点)。結果はJIS等級(1~7級)で表します。
| 試験法 | JIS K4810 |
|---|---|
| 荷重 | 0.5~36kg |
5.着火・燃焼性
5-1)引火点
消防法ニ類(可燃性固体)および消防法四類(引火性液体)の引火点試験に準じ、タグ密閉式、タグ開放式、セタ密閉式、クリーブランド開放式、およびペンスキ-マルテンスが実施可能です。
5-2)発火点
空気雰囲気中で他から火炎、電気火花、赤熱固体等などの着火源を与えないで、加熱することで発火を起こさせる最低温度を発火点といいます。弊社では消防法四類の発火点試験法として用いられているASTM規格の試験法により実施しています。
| 試験法 | ASTM E659 |
|---|---|
| 温度 | 最大700℃まで |
| 雰囲気 | 空気・大気圧 |
5-3)BAM着火性試験
火薬類や不安定物質の固体物質が外部からの着火源(裸火、赤熱体、摩擦火花、電気火花等)と接した場合、容易に着火するか否か、また着火した場合に着火源を取り除いても、燃焼が継続するか否かは安全性の面からも重要です。試験はBAMの方法で4種のエネルギーレベルの異なる着火源を用いて、着火のし易さをスクリーニングします。
| 1. セリウム-鉄火花法 | セリウム-鉄火花を当て着火するかを見る。 |
|---|---|
| 2. 導火線法 | 導火線の吹き火を当て着火するかを見る。 |
| 3. 小ガス炎法 | バーナーの炎を当て着火するかを見る。 |
| 4. 赤熱鉄棒法 | 約800oCに赤熱した鉄棒を当て着火するかを見る。 |
通常1、3の試験で評価します。ご要望により他の試験も実施可能です。
5-4)燃焼速度試験
可燃性固体の燃焼のし易さを評価する試験法の一つで、IMO(国際海事機関)の試験法に準拠しています。
(注)試験は堆積物成型器具により、断熱板上に試料をプリズム状に堆積し、試料の一端にバーナー等で点火し、中間点より100mm 燃焼するに要する時間(燃焼速度)を測定し、危険性を評価いたします。
- (注)本試験法は一部改訂されて、危険物の輸送に関わる国連勧告の「可燃性固体」の判定試験法として採用されたため現在は廃止されていますが、弊社では固体の燃焼のし易さを評価する手法として採用しています。
5-5)TNOデフラグレーション試験
自己反応性物質の燃焼のしやすさを評価する試験法の一つで、TNO(オランダ国立技術研究所)の試験法に準拠しています。試験は試験用円筒管に試料を充填し、円筒管の熱電対挿入孔に4本の熱電対を挿入し、直立した円筒管の上端より赤熱したニクロム線(約1000oC)、または火炎で試料に点火し、各熱電対の温度を記録してそれぞれの昇温開始時間の差を測定し、その時間差から燃焼速度を求め、危険性を評価いたします。(応相談)
6.静電気特性
6-1)体積抵抗率および表面抵抗率
静電気放電による災害を防止するためには、その物質の静電気特性を十分把握しておくことは、非常に重要なことです。 物質に帯電した帯電電荷の漏洩回路が主として物質の内部にあるものに対しては体積抵抗率が、また漏洩回路が主として表面に ある物質に対しては表面抵抗率が、それぞれ帯電特性に大きく影響します。
弊社では、湿度50%以下の条件下で液体、粉体、固体(シート状)の抵抗率の測定が可能です。
6-2)帯電電荷量
45度の傾斜角に設置した傾斜樋(SUS、アルミ、塩ビ等)上を滑り落とした時の、摩擦帯電による帯電電荷量測定(樋(トイ)法)、およびSUS内で粉体を空気移送する時の帯電電荷量測定(空送)をファラデーゲージにより湿度50%以下の条件下で測定し、帯電性を評価します。
7.消防法
危険物確認試験実施マニュアル(監修 消防庁危険物規制課)に準拠して実施します。
7-1)一類落球式打撃感度試験
本試験は第一類の危険物(酸化性固体)に該当するか否かを判断する試験で、粉粒状の試験物品(粉状または粒状の物品)に適用され、衝撃に対する敏感性を判断することを目的とする試験です。標準物質(塩素酸カリウム、硝酸カリウム)と赤りんの混合物の50%爆点を求め、その条件で試験物品と赤りんとの混合物を測定し、爆発確率によってランク付けをします。
7-2)一類燃焼試験
本試験は第一類の危険物(酸化性固体)に該当するか否かを判断する試験で、粉粒状の試験物品(粉状または粒状の物品)に適用され、酸化力の潜在的な危険性を判断することを目的とする試験です。試験物品と木粉との混合物の燃焼時間を測定し、標準物質(過塩素酸カリウム、臭素酸カリウム)と木粉混合物の燃焼時間と比較してランク付けをします。
1)と2)の試験結果から一類の危険物に該当するか否かの判定をします。
7-3)一類大量燃焼試験
本試験は粉粒状以外の試験物品に適用され、酸化力の潜在的な危険性を判断することを目的とする試験です。粉状でない大量の試料と木粉混合物の燃焼時間を測定し、標準物質(過塩素酸カリウム)と木粉との混合物の燃焼時間と比較して危険性あり、危険性なしの判定をします。
7-4)一類鉄管試験
本試験は粉粒状以外の試験物品に適用され、酸化力の潜在的な危険性を判断することを目的とする試験です。鉄管に粉状でない試料とセルロース粉混合物を鉄管に充填し、伝爆薬を挿入後、雷管により起爆します。そして、鉄管の破裂状況により試料が完爆したかを判断し、危険性あり、危険性なしを判定します。
3)と4)の試験結果から一類の危険物に該当するか否かの判定を行います。
7-5)ニ類引火点
本試験は第二類の危険物(引火性固体)に該当するか否かを判断する試験で、固体物品の引火の危険性を判断することを目的とする試験です。セタ密閉式引火点測定器を用いて測定します。
7-6)ニ類小ガス炎試験
本試験は第二類の危険物(可燃性固体)に該当するか否かを判断する試験で、固体物品の火炎による着火の危険性を判断することを目的とする試験です。試験物品が着火した時は、火炎を当ててから着火までの時間を測定して判定します。
7-7)三類自然発火性試験
本試験は第三類の危険物(自然発火性物質)に該当するか否かを判断する試験で、固体または液体物品の、空気中での発火の危険性を判断することを目的とするための試験です。試験物品が自然発火するか否かによりランク付けをします。
7-8)三類水との反応性試験
本試験は第三類の危険物(禁水性物質)に該当するか否かを判断する試験で、固体または液体物品が水と接触して発火し、または可燃性ガスを発生する危険性を判断することを目的とする試験です。試験物品が発火するかまたは可燃性ガスを発生するか否かによりランク付けをします。
7)と8)の試験結果から第三類の危険物に該当するか否かの判定をします。
7-9)四類引火点
本試験は第四類の危険物(引火性液体)に該当するか否かを判断する試験で、液体物品が引火するか否かを判断することを目的とする試験です。なお、引火点の値によりそれぞれ規定された引火点測定器で試験を行います。試験物品の引火点から第四類危険物のどれに該当するか判定します。
7-10)四類燃焼点
本試験は第四類の危険物(引火性液体)に該当するか否かを判断する試験で、引火点が40oC以上60oC未満の物品について試験を行います。
(ただし、可燃性液体量が40wt%以上の物品は除く)
7-11)四類発火点
本試験は第四類の危険物(引火性液体)に該当するか否かを判断する際に、物品の発火点をASTM E659に従って確認する試験です。
7-12)四類液状確認試験
本試験は第四類の危険物(引火性液体)に該当するか否かを判断する際に、物品が液体であるかどうかを、規定にしたがって確認する試験です。
7-13)四類可燃性液体量確認試験
本試験は第四類の危険物(引火性液体)に該当するか否かを判断する際に、物品が液体混合物であって、可燃性液体の含有率が不明である物品について、その含有率を確認するための試験です。
7-14)四類動粘度
本試験は第四類の危険物(引火性液体)に該当するか否かを判断する際に、液体物品の動粘度を知ることを目的とする試験です。通常引火点における動粘度を測定します。
7-15)四類沸点
本試験は第四類の危険物(特殊引火物)に該当するか否かを判断する際に、液体物品の沸点を知ることを目的とする試験です。JIS K2233に準拠して測定します。
7-16)五類熱分析試験
本試験は第五類の危険物(自己反応性物質)に該当するか否かを判断する試験で、固体または液体物品の爆発の危険性を判断することを目的とする試験です。
標準物質(2,4-DNT、BPO)の発熱開始温度と発熱量の測定値からグラフに判定線を引き、試験物品の測定値をグラフ上にプロットし、プロットが判定線より上か下かで危険性の有無を評価します。
7-17)五類圧力容器試験
本試験は第五類の危険物(自己反応性物質)に該当するか否かを判断する試験で、固体または液体物品の熱分解の激しさを判断することを目的とする試験です。
試験物品を圧力容器にセットし、所定の昇温速度で加熱した時の破裂板の破裂する確率を、1mmおよび9mmのオリフィスについて測定し、ランク付けをします。
16)と17)の試験結果から、第五類の危険物に該当するか否かの判定をします。
7-18)六類燃焼試験
本試験は第六類の危険物(酸化性液体)に該当するか否かを判断する試験で、液体物品の酸化力の潜在的な危険性を判断することを目的とする試験です。
試験物品と木粉との混合物の燃焼時間を測定し、標準物質(90%硝酸)と木粉との混合物の燃焼時間を比較し、第六類の危険物に該当するか否かの判定をします。
7-19)指定可燃物・酸素指数
本試験は指定可燃物の合成樹脂類に該当するか否かを判定するもので、合成樹脂粉末が燃焼するに必要な限界酸素濃度(酸素指数)を測定して、“不燃性”または“難燃性”かどうかを見ます。酸素指数が26未満の合成樹脂は上記の何れにも属さない“易燃性”として、合成樹脂類該当となります。
7-20)指定可燃物・燃焼熱量
本試験は指定可燃物の可燃性固体類に該当するか否かを判定する試験です。第二類に非該当の固体で引火点が100℃以上のものに対して適用され、熱量が34KJ/g以上であった場合、以下の範囲に属するものが可燃性固体類に該当となります。
100℃≦引火点<200℃ で 熱量≧34KJ/g
引火点≧200℃ で 熱量≧34KJ/g 且つ 融点<100℃
8.危険物輸送関連試験(国連勧告試験)/GHS分類の物理化学的危険性の評価試験
国連による危険物輸送時の安全確保を目的とした危険物分類試験で、「国連試験および判定基準マニュアル(通称“オレンジブック”)」に従って実施いたします。
また本試験方法によって得られた結果は、「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(略称GHS)」の物理化学的危険性の分類にも適用できます。GHSの分類に関わる他の試験については別途ご相談ください。
8-1)引火点、初留点
本試験は、液体物品がクラス3「引火性液体類」に該当するかどうかを判定し、該当する場合は、その容器等級を判定することを目的とした試験です。タグ密閉式引火点を用いて測定します。
8-2)燃焼速度試験
本試験は固体物品がクラス4.1「可燃性固体」に該当するか否かを判定し、該当する場合は、その容器等級を判定することを目的とした試験です。
矩形の断面を有する形状の堆積試験物品による予備試験と、予備試験の結果からさらに三角形の断面を有する形状の堆積試験物品による本試験を行います。
8-3)自然発火性試験
本試験は液体または固体物品がクラス4.2「自然発火性物質」に該当するか否かを判定し、該当する場合は、その容器等級を判定することを目的とした試験です。
液体物品は、磁性カップに試料を滴下し、5分以内に発火またはろ紙を焦がすか否かを観察します。また固体試料は1mの高さから断熱板に試料を落下させ、5分以内に発火するか否かを観察します。
8-4)自己発熱性試験
固体物品がクラス4.2「自己発熱性物質」に該当するか否かを判定し、該当する場合はその容器等級を決定することを目的とした試験です。
金網かごに試料を充填して空気恒温槽中で加熱を行い、発火または24時間以内に60℃以上の発熱が生ずるか否かを観察します。大きさが異なる2種類の金網かごと3水準の試験温度(140、120、100℃)の組み合わせによって、どの条件で発熱するかを観察します。
8-5)水との反応性試験
本試験は液体または固体物品がクラス4.3「水反応可燃性物質」に該当するか否かを判定し、該当する場合は、その容器等級を判定することを目的とした試験です。
試験は、水中または水上に浮かべたろ紙に試料を落下して、発火するか否かを観察する試験および水と反応して発生する可燃性ガスの量を測定する試験から成っています。
8-6)燃焼試験
本試験は固体物品がクラス5.1「酸化性物質」に該当するか否かを判定し、該当する場合はその容器等級を判定することを目的とした試験です。
試験物品とセルロースとの混合物の燃焼時間を測定し、標準物質(臭素酸カリウムとセルロースとの混合比率を変えたもの)の燃焼時間と比較して「酸化性物質」に該当するか否かを判定します。
9.熱物性
9-1)反応熱
化学反応時における熱的基礎デ-タを知ることは、プロセス開発や安全上からも重要なことです。リアクションカロリーメーターは約500gの試料を用いて化学反応や相変化時の熱量をベンチスケールで正確に求めるための熱量計であり、実装置を想定した熱的データや最適な反応条件を求めることができます。
測定されるデータとしては反応開始温度、発熱又は吸熱速度、反応熱、混合熱、融解熱、結晶化熱、比熱や総括伝熱係数等の測定が可能です。
また、混合・反応熱量計(C-80)を用いて、等温での液-液、固-液系の反応熱、混合熱等を少量の試料量(1~5g)で測定することが可能です。
| 1. リアクションカロリメータ法 | 2. C-80法 |
|---|---|
| 温度:-20℃~200℃ | 温度:約5℃~300℃ |
| 圧力:10kPa~1MPa(abs) | 圧力:大気圧 |
リアクションカロリメ-タ(RC-1)
9-2)比熱
物質の一つである液体の比熱測定を上述のC-80を用いて測定可能です。
| 温度 | 室温~250oC |
|---|
9-3)蒸発熱・昇華熱
熱物性の一つである固体又は液体の蒸発熱を、DSC又はC-80蒸発熱測定システムを用いて測定することができます。
DSC法では常温で固体の試料を一定圧力下で昇温して測定します。C-80蒸発熱測定システムは、液体の蒸発熱を一定温度で測定することが可能で弊社ではこれら2つの装置で測定を行っています。
| 1. 昇華熱DSC法(固体) | 2. 蒸発熱C-80法(液体) |
|---|---|
| 温度:室温~500℃(昇温) | 温度:室温~200℃(一定温度) |
9-4)熱膨張率
金属、セラミックス等を加熱した時の、機械的な寸法変化を測定することによって、その物質の熱膨張率を測定します。弊社ではTMA(Thermalmechanical Analyzer)を用いた熱膨張率の測定が可能です。
| 温度 | -140℃~600℃(低温用) |
|---|---|
| 室温 | ~1400℃(中、高温用) |