車室内の化学物質の評価
最近、車室内空気評価の重要性がクローズアップされています。今回は車室内空気の評価例と材料評価の例をご紹介いたします。
車室内空気評価の位置付け
保健及び公衆衛生上の見地から、その空間がどこであろうと汚染物質は低減させる必要がある。
下記にあるあらゆる室内空間に適用されるべきである。
- 住居
- オフィス
- 病院・医療機関
- 学校・教育施設
- 図書館
- 劇場・映画館
- 車両等
厚生労働省 2000年9月25日
また、環境省でもタクシードライバーなど、乗り物の常務員は環境ホルモン(ex.フタル酸エステル類)の”高曝露群”と位置付け。住宅・通勤・勤務時間トータルの生活時間で化学物質曝露量を評価する必要があるとしています。
車室内空気中の化学物質評価をする時の注意点
車の室内は、一般住宅やオフィスとは構成材料が異なっています。また、車室内は特に夏など大変な高温となります。車の室内を評価する場合、検出される化合物が一般住宅やオフィスと異なること、またその検出量も多いこと、さらには高温下でも信頼性ある評価が行われることが重要となります。
住化分析センターでは、いち早くこれらの問題点を克服し、評価を実施しています。
車室内空気中化学物質の評価例
- 対象:国産の車種A(納車 2002/10/1)
- 炎天下にて13:00~14:00に、運転手の曝露評価の観点でサンプリングを実施
- 車内温度は約44℃

車室内空気中に検出される化学物質の特徴
- 樹脂の酸化防止剤・可塑剤など添加剤が高濃度に検出される
- フェノール・ジフェニルアミンのように、一般住宅室内に余り見られない化合物が検出される
内装材から放散される化学物質の評価方法
車室内空気中の化学物質の発生源は、シート・パネル・オーディオ等、室内に露出している部分の材料です。材料の評価方法は大きく分けて二つあります。
内装材から発生する化学物質の評価方法
- ダイナミックヘッドスペース法
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チャンバー内に材料を設置し、温度・湿度・チャンバー内換気率などを制御して、材料から発生する化合物を所定の吸着剤に吸着捕集します。温度をかける加速法や、建材のJIS A1901小形チャンバー法もこれに該当します。
材料の面積または個体単位で1時間に放散される量(放散量;μg/m²・ h)として求めるので、室内空間への寄与率を推測することが出来ます。また、加速試験法は、高温となる車室内の状況に沿った評価が可能です。
- スタティックヘッドスペース法
- 密閉容器に材料とガスを満たし、加熱して化合物を放出させ、気相を直接、または吸着剤に捕集し、測定するものです。テドラーバッグやヘッドスペースボトルを用いる方法がこれに該当します。放散量として求めることはできませんが、濃度が高いか・低いかを篩い分ける一次スクリーニングに使うことが出来ます。
加熱加速試験システムフロー

加熱加速試法による材料測定例

- 加熱加速試験法では、高温の車内で高濃度に検出される可塑剤も評価することが出来ます。
- 小形チャンバー法のような常温試験法では可塑剤の評価はできません。